アパレルブランドのトレンドと時代の流れについて

こんにちは増田です。

アパレルブランドの中でインフルエンサーブランドという言葉を近頃よく聞く様になりました。

ほんの数年前まで、インフルエンサーブランドって何?という人も多かったのですが、ここ数年で随分と認知されてきた様にも感じます。

知らないって方もいると思うので、一応さらっと説明するとBlogやInstagram、ライブ配信サービス等で自身のコーディネートやライフスタイルを発信しているファッション系インフルエンサーが立ち上げたブランドを総称してインフルエンサーブランドと呼ばれています。

(他にも色んな定義はあるんでしょうが、今回はそう捉えてください。)

そんなインフルエンサーブランドにはアパレルが不況と言われる中でも、この数年で年商何十億と売上を伸ばしている勢いのあるブランドもあります。

とは言いつつ、最近では企業のアパレルブランドがデジタルマーケティングや新規ブランド開発にインフルエンサーを起用していたり、小規模だったインフルエンサーブランドも大きくなって、他ブランド展開を行いながら、企業としてスケール化していったりと、その境って実際は結構曖昧だったりもします。

(インフルエンサーブランドも自分達でわざわざインフルエンサーブランドなんて言わないですしね)

アパレルブランドにもトレンドがある

軽くインフルエンサーブランドの説明をしましたが、洋服にトレンドがある様にアパレルブランドにも数十年変わらず続いている様な普遍的なブランドだけではなくトレンドがあります。

70年代〜90年代のアパレル業界は生産から販売までが細かく分業化されていることや、業界構造が見えづらいクローズドな世界であったことも起因して、個人や他業種から気軽に参入できる様な時代ではありませんでした。

その結果、その時代のトレンドは若い頃からデザインを学んできた人たちが立ち上げたデザイナーズブランドや総合アパレルメーカーが展開するブランドがほとんどでした。

いわゆるDCブームと呼ばれていた時代です。

90年中〜後半になると、裏原宿系、109系ブランドと言われるアパレルブランドが勢いづきはじめます。

これらのブランドの特徴はスケボーや音楽などのストリートカルチャーを背景にしていたり、店舗にカリスマ店員と呼ばれる販売員を要していました。

この頃になると、OEMメーカー、ODMメーカーと呼ばれる企業も増え始め、自社でモノつくりを行わなくても、洋服を量産できる環境が増えたこともあり、随分と洋服が作りやすくなってきたそうです。

(僕はまだ中学生とかだったので、詳しくは知らないです)

00年代に入ると、前述の流れが続く中、カリスマ店員と呼ばれた人たちが自分のアパレルブランドを立ち上げ始めました。

時を同じく、有名ファッション誌のスナップに登場していた読者モデルと呼ばれる人たちもアパレルブランドを立ち上げ始めます。

そういったブランドがやや飽和した状態になり始めた頃、おしゃれプロデューサー(通称 おしゃP)といった様な打ち出しを雑誌やTVメディアなどと連動したプロモーションが賑わいを見せ始めました。

またこの頃から流行し始めたBLOGサービスやtwitterを始めとするSNSをうまく駆使したブランドや、個人で人気のある今で言うインフルエンサーが立ち上げたブランドがどんどんと売上を伸ばしていきます。

何も個人を軸にブランディングを行っている様な状態で、徐々に媒体の主流がSNSやWEBメディアへと変わっていき、今日の様なインフルエンサーブランドの隆盛へとなりました。

その様にアパレルブランドにも、トレンドがあり、それぞれの時代に栄枯盛衰もあったわけですが、どれだけトレンドが変わってもアイデンティティとコンセプトがもっとも重要なことだったのではと思います。

いつの時代であっても、支持されているブランドの多くは商品とカルチャーとプロモーション、それらに一貫した哲学が落とし込まれています。

トレンドなどと言っても呼び方や手法が違うだけで根本的な事は同じです。

新しい人やことへの抵抗

そんな状況は日本だけではなく、世界中で起こっていて、それに合わせ企業の動き方も変わり始めています。

一方そうした中で、残念ながら日本ではまだまだ昔ながらの考え方が強い様に感じます。

出店、卸取引、商品生産、プロモーション、様々な面で、新しい考え方を肯定できずに抗われる様をよく見かけます。

アパレルブランドにおいて、デザイナー、パタンナー、モデリスト、MDなどなど、従来では販売員やアシスタントを経るなど、苦労を積み重ねる事が、それぞれの領域において一人前になるといった様な既存のシステムは既に崩れています。

下積みを通らずとも、テクノロジーの発達により様々なサービスを利用すれば、誰でも簡単に洋服も作れます。

自分が作れなくても、作れる人を探す事もすぐにできます。

そうして出来る商品も従来のアパレル企業の商品と遜色もありませんし、SNSで発信することで、個人でプロモーションを行う事もできます。

それは前述した様なインフルエンスをする力がある人だけではなく、誰であってもそうです。

実際にデジタルネイティブと呼ばれる若い世代の表現は目新しくもあり、営利を追ってばかりの企業的な考えの一辺倒になってしまっていてはフレッシュさで負けてしまい、業績不審になってしまってたアパレルブランドも多々あります。

そうならない為には、表に立つ人は変わらなくとも、裏方にはできるだけ新人を起用してデザインだけでも裁量を与え、新しいものを作ってもらうなどちょっとの工夫をする事でもそれぞれの優位点から相乗効果は生まれます。

そんな風に情報が溢れる時代においては、消費者が求めるものと、新しいものを取り入れることを同時に行うことが何よりも重要だと思います。

人もそうですが”お金にするのが難しい””費用対効果が見えづらい”と言って、新しい事にはあまり手出ししない企業が多いですが、そこをなんとかやることも変化に繋がるのではないでしょうか。

今業績が厳しいと感じられる様であれば、伝統や風習を気にせずに動き、新しい何かを取り入れる事で状況は少しでも変わると思います。

その様にして若い力をキャッチアップできるような環境作りを行いながらプッシュしていく事が大事です。

これからはグローバルへの挑戦も

冒頭でも言った様に不況と言われる中で、国内で結果を出しているアパレルブランドもあります。

ですが、どうしても海外のアパレルブランドと比べると、グローバルなチャレンジが出来ていない様に感じます。(もちろん国内にも成功しているブランドはあります。)

それぞれの戦略はあるでしょうが、内需だけではどんなブランドもいつか先細りしてしまう事は間違いありません。

そのリスクヘッジの一つが海外展開なのですが、日本のアパレルブランドが海外で受け入れられない要因でよく言われているのがローカライズなのですが、それもそうでしょうが、テイストやジャンルを問わず、どこか抜けている感じがかっこいいといった様な感覚が原因な気がします。

要は完璧なものでなくてもいいと言った様な事です。

品質はいいけどデザインは…

デザインはいいけど品質は…

といった様に、多くのブランドに意図せずともどこかに妥協点があります。

国内だけであれば、それらの妥協点を人を立てたり、カルチャーがあったり、言葉で語ったりと色々な補足ができます。

しかし、グローバルに進出しようとする際にそういった補足が出来ないので、商品のデザイン・品質それらを魅せるブランドの世界観に完成された物が求められます。

マーケティングを行う際にも、代理店などから提案されるパッケージングされたアプローチしか行っていないうえ、その予算も限られているので、そこそこのプロモーションしか行われません。

世界中の方に見てもらうためにSNSを利用しても、それこそブランドの世界観を魅せる為にはそれなりに制作予算も必要です。(工夫で補える面もあるかもですが。)

トレンドは国ごとにあるとはいえ、世界共通に売れるテイストや要因も多くあります。

その一つがクオリティーであり、それは日本が得意とするところでもあります。

それに最初から国内だけではなく世界規模の評価を目標にしておけば、クオリティの高さの追及にも繋がります。

日本のカルチャーは長い歴史と深さと専門的な面白さがあるからこそ、もっと世界にちゃんと見せる事でかならず売れると思います。

いい意味で“こんなのやっても良いの?”という考え方もひとつの戦略だと思います。

もちろん人の目は多少は気にするべきですが、多少の刺激がないと見向きもされません。

やりたいことをやることが大事と思っている人はいっぱいいますし、そういう声はテレビや新聞ではかき消されても、ネットであれば届けることはできます。

もっと自分達のやりたい事を信じ、声を上げていけばグローバルにも面白いチャレンジが出来ると思います。

まず関心を持つ事が、その先を見据える事に

トレンドの移り変わりもあり、消費者の考え方も変化していく中では若い柔軟な考え方というのはとても大事だと思います。

全ての人がそうでないかもしれませんが、若い感覚を理解しようとする人は少ないですし、そもそも何に対しても関心を持たない人も多いです。

ここまでに色々書いてきましたが、人からこう言う事をいくら聞かされても、本質的には理解できないので、少しでも関心を持ち、自分の肌で感じなければなりません。

そうしてお客さんのときめきを察知しなければ絶対に良いものは作れないし、色々な戦略を見聞きしようが、最終的には自分自身の経験からのアウトプットでしか本質的な戦略にはならないです。

数年前と比べてもトレンドの移り変わりも激しく、昔なら5年後くらいかなと感じていた事が1年後に起こってたりもします。

最近VR・ARを駆使する事でドラえもんの世界の90%は既に再現出来るなんて話を聞きました。

そんな事をピンポイントで知る必要もないですが、知っているだけで、そういった技術が応用され、実用化される事で世界中のファッションの見せ方が今とは近い未来で変わるかもしれないなんて予想をする事もできます。

直近の話でもネット回線が5Gになる事で、万人が高画質の映像を見られる機会が増えます。

そうすると、今までの静止画が主流だったプロモーションは必然的に動画が主流になるでしょう。

これは今から準備しておいていいレベルだと思います。

もしかするとAIによる服作りなどが始まってしまうとデザイナーやパタンナー、MDといった人の存在価値が揺らいできてしまうかもしれません。

だからこそ“じゃあ人間だけがやれるものって?”というところに集中するべきという考え方もできます。

未来なんて結局は誰にもわからないからこそ、過去から学び、今を感じて、未来を見据える事が大事です。

色んな事に関心を持つ事はその第一歩ではないでしょうか。

しゅんたろう
About しゅんたろう 19 Articles
1986年生まれ。 マロニエファッションデザイン卒業後、OEM企業での企画営業を経てMARKSTYLER社に入社、営業/MDを経験後、新規ブランド開発部門にて部門長としてブランド開発を行う。 退職後、CLANE DESIGNの立ち上げに参画し、ブランドマネージャーとして従事 2017年より独立し、1Q86.LLCを設立。 アパレル企業を中心にマーケティング/営業代行、ブランドディレクションを受託。 2018年にはアパレル生産SaaSの[AYATORI]を運営するDeepValleyの創業にも参画し取締役に就任。

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