実際にあったファッションデザイナーからの相談

こんにちは、こんばんはしゅんたろうです。

アパレルデザイナーはデザインだけしてればいい、そんなわけないですよね。

よくデザイナーさんが独立したいとか、ブランド立ち上げたいとかそういう話を聞く中で「いや、こんな最低限の事ぐらい」と思うけど実際に知らない、出来ないって話を聞きます。

ここにたどり着いているって事は少なくともネットで情報を探すという事をする方だと思ういますが、実際にこんな相談があるんだよって話をいくつかご紹介していきたいと思います。

①体育会系なノリが苦手なんです

いきなり知らんがな!ってなりそうな話です。

アパレルの仕事をする事には何の資格もいりません。

国家資格もありませんし、なにか免許が必要な訳でもありません。

色々なシステムが出来上がってきて、誰でも簡単に始めることもできます。

企業にもよりますが、基本的には学歴よりもセンスの方が大事ですし、プロセスより結果を重んじる傾向の会社も多いです。

なので、少しぐらい頭が悪い人でもセンスやヴィジュアルが良ければ採用されるし、プロセスはどうあれ結果が伴っていれば評価もされるので、叩き上げの人も多いです。

もう一点、アパレル業界が活気を帯びてきたのはバブルの頃と比較的業界としての歴史も浅いです。それが関係しているのかはともかく勢いのままに進むイケイケなタイプで少し悪さをしてましたみたいな人も多いです。

そんな人達が上司や取引先としても多いので、体育会系な雰囲気が意外と業界的に蔓延してるといえばそうですが。

別にアパレル業界に限ってでなく、そんなノリが苦手と言っていたら、そんな面倒臭い相手とは仕事しないか、誰かにお願いするしかないでしょう。

②この服どうですか?

アパレル業界で働いていると「ダサい」「かわいい」「カッコイイ」「おしゃれ」という類の批評ってブランドにも、自分自身にも永遠に付きまといます。

でも実際は個人的な主観がほとんどなので、僕にどうですか?と言われても僕個人の意見ぐらいしかいえません。

具体的にターゲットにハマっていなかったり、どういうシュチュエーションで着るものか想像つかないという様な客観的な意見や、批評を聞くようにしなければなりません。

ただトレンドを創造するべき、デザイナーズブランドなのであれば、批評をすべて受け入れて、いちいち修正する事が逆にマイナスに作用する事もあります。

トレンドや大衆の好みなんて日々変化していきます。

その変化を起こすきっかけを作る事が、デザイナーの仕事だと思うので、自分のセンスに対しては、いちいち手直しなどする必要もないのではないでしょうか。

世界中で人気を博しているヴェトモンだって、僕はですけど見た目のかっこよさの理解ができません

一般的にもあそこまでビッグサイズな洋服を好んで着用する人も少ないでしょうし

それでも世界中にファンがいますし、絶大な評価を得ています。

特定の人達に批評されることが、大したことではないとしても、特定の人達には強烈に支持されなくてはならないという例で、「商品を売ること」とデザイナーもしくはブランドの「強烈なファンを作ること」も物作りと並行してできなくてはなりません。

ファッションに限らず、作ったら終わりなんてことはあり得ませんし、作った限りは売らなければいけないからこそ、聞くなら意図を明確にした方がいいし、聞かないなら、強烈なファンづくりを目指していかなればなんじゃないかなって思います。

③適正原価率がわかりません

前述もしましたが、作った物は売らなければなりません。

最近はD2Cブランドの隆盛もあり、高原価=いい商品みたいな風潮もありますが、一概にそうではありませんし、別に20%〜30%なんて原価率が低いなんてこともありません。

独立してブランドを展開するのであれば事業として運営しなくてはなりません。

その為に必要なことは、商品を売って利益を上げるということです。

よく自分のブランドを百貨店に並べたいって声を聞くので、百貨店で展開する事を想定して計算してみましょう。

上代が10,000円で原価25%の商品を百貨店で販売するとします。

ここで言う原価はプレス代なども含め、自分の手元への納品までにかかった費用と考えてください。

(上代10,000円×消化仕入率 40%) – 原価率 2,500円 =粗利 3,500円

消化仕入れ率は百貨店の取分と思ってください。さらにこの粗利から

粗利 3,500円 – 1点当たりの売場への配送料 100円 – 納品代行費用(専用タグ込) 200円 – 梱包資材200円 = 3,000円

百貨店では一般的なヤマト・佐川といった業者の直接納品は基本的にはできないので、専門の納品代行業者を経由させる事と、専用タグの手配をこちらで行わなければなりません。

契約する業者によってコストも違うし、その時の取引の仕方によっても違いまづが、原価率25%でざっくりと計算しても、1点あたりの粗利なんてこの程度しか残りません。

そしてこの利益から、人件費や備品等々の店舗運営費が按分して差し引かれると考えると、全然低くなんかありません。

パーセンテージだけを見ていても、他とは状況も違います。

自分で計算して事業としてやっていく利益を生める原価率こそが、自分のブランドにとっての適正な原価率です。

自分がビジネスしていく上で正しいと思える原価率なら高かろうが低かろうが気にする必要なんてありません。

とにかく最低限の事は自分で覚える

三つほど事例をあげましたが、「売ること」「強烈なファンを作ること」はデザイナーといえど必須スキルだと思います。一つ目なんて論外です。

良い物は知っていて、服を作ることは出来るみたいなデザイナーや学生が多いのですが、自分達でブランドを!と言ってもなかなかそうもいきません。

既にめちゃくちゃ人気もあって、国内外で評価されているにも関わらず、大赤字だったり、今にも潰れそうなんてブランドなんて多々あります。

そうならない為には、自分で事業をコントロール出来なければなりません。

そうでなきゃそれに長けている人間を雇用する、もしくは外部のコンサルタントと契約するべきです。

デザイン学校の教育の中でももう少しビジネスについてのカリキュラムを必須にすれば、そんな必要もなくなるのではと感じます。

実際コンサルタントなんて言っても、ほとんどの人が本やネットで書いてある様な事しか言わないですし。

しゅんたろう
About しゅんたろう 24 Articles
1986年生まれ。 マロニエファッションデザイン卒業後、OEM企業での企画営業を経てMARKSTYLER社に入社、営業/MDを経験後、新規ブランド開発部門にて部門長としてブランド開発を行う。 退職後、CLANE DESIGNの立ち上げに参画し、ブランドマネージャーとして従事 2017年より独立し、1Q86.LLCを設立。 アパレル企業を中心にマーケティング/営業代行、ブランドディレクションを受託。 2018年にはアパレル生産SaaSの[AYATORI]を運営するDeepValleyの創業にも参画し取締役に就任。

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