それでも店舗を増やす日本のアパレル

こんにちは、こんばんはしゅんたろうです。

渋谷駅の再開発すごいですね。

まだブランド運営をやっていた頃に、ちょうど最近OPENした渋谷スクランブルスクエアや渋谷パルコの出店の話を当時商談していたりしていたのですが、ついこの間の様に感じますが、もう3.4年前の話でした(月日が流れるのが早い…)

自分もお声がけいただいて、両店舗とも先行して内覧させていただきました。

両館とも、よく集められたなと思う様な魅力的なお店もある中で少し気になったこともありました。

こうSNSで呟いた様に大手のブランドが店舗名を変え、なんらかのコンセプトを持って商品展開を行ってはいるものの、コンセプト的な商品って実際は2.3割といったところで、残りは既存の商品と同じだったりしていました。

なぜここまでして出店するのでしょうか?今日はそんな話をしたいと思います。

まだ店舗は絶対的に必要と考える企業がほとんど

すこしばかり古い資料にはなるのですが、法人向け不動産サービスCBRE日本本社が、日本国内に店舗を持つ小売企業の担当者にEコマース(EC)の影響についてアンケートした結果を公表しました。

結果は一旦、あとに置いておいて、アメリカでは消費者がECで買い物する傾向が強まり、店舗の閉鎖やショッピングモールのゾンビ化が進んでいます。

また、中国でもアリババなどEC大手による小売業の買収、統合が活発化していますが、CBREの調査結果によると、日本で出店する小売企業の60.2%が、2030年の自社ブランドのリアル店舗数を「今より増えている」と予測し、「今よりも減る」の23.3%を大きく上回りました。

日本の小売業はECの拡大と人口減少にも直面する中でも、米中とは逆に、リアル店舗の出店によって売り上げを増やそうと考えているということに信じられないという感情を覚えます。

店舗の「ショールーム化」という考えは少数

ファッションに限るわけではないですが、アメリカでは消費者がリアル店舗で商品を確認し、実際にはECで購入するという店舗の「ショールーム化」が進んでいて、小売業界に打撃を与えています。

中国でも先日もものすごい売り上げを叩きだした、アリババをはじめとするネットセール前にはリアル店舗の売り上げがガクンと低迷するそうです。

しかしCBREのアンケートでは、「自社のリアル店舗がショールーム化している」との回答は19.3%にとどまりました。

ショールーム化している店舗があると答えた業種は、ファッションと家具・雑貨が多く、ネット店舗の方が色やサイズが豊富にそろっていることが理由だそうです。

また、ショールーム化に関しても、ブランド力や認知度の向上につながるとポジティブに捉える回答が目立ち、実物を試着したり、現物を実際に手に取る過程で、消費者との関係を深め、ECなどでの購入につなげるショールーム化戦略を取っている企業もあります。

それでも店舗は減らさないが8割もいる。

ECが拡大しても、新規出店の店舗の立地や形態に影響しないとの回答は、5割を超えます。

さらに、今後リアル店舗数や新規出店を減らすかとの問いには、「どちらも減らさない」が約8割です。

理由としては、「消費者に買い物体験を楽しんでもらうため」「認知度の向上を含むブランディングにはリアル店舗が重要なため」が最多でした。

リアル店舗の数を減らすと回答した割合は22.6%にとどまり、理由は、「ECの拡大によって消費者の購買行動が変化したため」が最多で、「ECが小売市場全体の構造に変化をもたらしたため」が続きました。

ECの売り上げ比率は拡大傾向ではあるものの、リアル店舗に与える影響については様子見感がありそうです。

郊外店、百貨店離れには敏感です。

一方で今後閉店を検討する既存店舗の形態を聞くと、百貨店や郊外型ショッピングセンターという回答が上位となり、郊外店離れ、百貨店離れが鮮明となりました。

今後出店を検討する立地として、現在郊外型ショッピングセンターに出店している企業は「都市型ショッピングセンター」を最も多く選択し、現在「百貨店」に出店している企業は「(商業中心地の)路面店舗」を最も多く選びました。

人口減少や住まいの都心回帰を踏まえ、外国人旅行者も含めた消費者が集まる場所が今後の出店のトレンドなのは変わりそうにないですね。

最後に

調査結果からは、ECがリアル店舗に与える影響は限定的と考えつつも、体験スペースなどECにはない機能をリアル店舗に加えたり、消費者がアクセスしやすい立地への出店を強化するなど、小売企業がリアル店舗を情報発信や消費者との接点を持つ場所として再定義する傾向がみられました。

回答者からは、「仮想現実(VR)で、店舗体験の付加価値を高められる」「自動運転車が普及すれば、リアル店舗への来店者が増える」「無人店舗が実現すれば、全国出店が可能になる」など、テクノロジーの進化をリアル店舗の追い風として期待する声も上がった。

という一文もありました。

ファッションビルや百貨店にとってもたとえオーバーサプライだとしても、自分たちのビジネスのためには出店先は必要です。

そんな状況の中では、同じ商圏内であっても、他店舗の賃料や区画の提示を天秤に既存出店企業に出店を打診し、企業は新業態と称して半ば無理やり出店を行うこともあるでしょう。

先のアンケートの結果もそういう状況の整合性を取るためにそう考える様にしているのではないのかなって客観的には思います。

また、それが消費は減っていても、生産が増え続けている状況の引き金になってしまっているとも思います。

生産に関してのサステイナブルが唱えられている今ですが、根本はこういった状況を改善することの方が優先すべき課題なのではないでしょうか

しゅんたろう
About しゅんたろう 24 Articles
1986年生まれ。 マロニエファッションデザイン卒業後、OEM企業での企画営業を経てMARKSTYLER社に入社、営業/MDを経験後、新規ブランド開発部門にて部門長としてブランド開発を行う。 退職後、CLANE DESIGNの立ち上げに参画し、ブランドマネージャーとして従事 2017年より独立し、1Q86.LLCを設立。 アパレル企業を中心にマーケティング/営業代行、ブランドディレクションを受託。 2018年にはアパレル生産SaaSの[AYATORI]を運営するDeepValleyの創業にも参画し取締役に就任。

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