POP UP SHOPについて思うこと

こんにちは、こんばんはしゅんたろうです。

ファッション業界の話に限らず「POP UP SHOP(ポップアップショップ)」って、よく聞きませんか?

・ポップアップショップとは、数日〜数週間のみ出店する期間限定の店舗のこと。
・「ポップアップショップ」には「突然現れるお店」といったニュアンスがある。
・ポップアップストアとポップアップショップ、ポップアップリテールに意味の違いはない。
・催事場・駅や商業施設の空きスペース・レンタルスペース・空きテナントによく出店されている。
・販売チャネルの増加やプロモーションを目的に出店される。

Google検索すると、こんな感じで出てきます。

回りくどいっすね、一言で言うと「期間限定ショップ」でいいのではないでしょうか。

ファッションビルやショッピングセンターの中では、比較的人通りの多い場所で開催している場合が多く、百貨店なんかでは各フロアにPOP UP SHOPを随時開催しているイベントスペースがあったりします。

エスカレーターの前や、人目によくつく場所で展開されている事が多いこともあって「あれ?このお店なんだろう?」って風に、どんなイベントでも大なり少なりありますが、概ね賑わっているように見えます。

そんなPOP UP SHOP、百貨店やファションビル(以下:ディベロッパー)としては

・正規出店の前に「このお店がどのぐらい、自分たちのお客様に反応があるか?」を試す。

・売り場が変わることで頻繁に来店してもらっているお客様にも売り場の新鮮さを与える。

・出店ブランド目当てで訪れる新規のお客様に来店してもらえる。

といったメリットがあり、ショップを展開するブランドには

・その場所への正規出店やそのファッションビルとの卸取引に向けたトライアル

・実店舗の無いお店であれば、実際に手にとって見てもらえる機会

といったように、それぞれにメリットがあります。

当然ながらデメリットと言うか、気をつけた方がいいなと思うこともあります。

目的を整理しておく事が大事

「POP UP SHOPをすれば知名度が上がると思うので、どこかで開催出来る場所はないですか?」

こんな質問をされる事があります。

やろうと思えばどこでもできますが、目的は営業ですか?PRですか?

今のデジタルネイティブと呼ばれる世代の子達を中心に考えれば、何かを欲しいなと思ったら、事前にネット上で様々なことを検索します。

ブランドの背景だったり、商品の値段、着用している雰囲気、他にどんな人が身につけてるんだろうって事だったり。

それらをその場伝える事ができるのが、実店舗の強みではありますが、POP UP SHOPにしろ実店舗にしろ知らないブランドの商品を買うって、ご自身に置き換えた時にそんな頻繁にするでしょうか?

装飾もそれなにりにして、ブランドの世界観を見せれれば売れるんです!って意気込んでもほとんどの場合が期待値ほど売れていないのが現実。

一方で反響があり、売上げを獲得したとしても、最終的な収益もさほど期待はできません。

人件費・内装費・運送費・歩合賃料などなど…

粗利からそれら必要経費を差し引くとほとんど利益が出ません。

とはいえ、「だからやめといた方がいいよ」とも思いません。

世界観云々もそうですが、洋服って身につけるものだし、それぞれにサイズ感や着用感なりに好みもあります。

だからこそ実際に手に取ってもらえるというインセンティブは大きいのは間違いありません。

冒頭に先述した様なメリットを見据えての営業活動として、または知名度アップのためと割り切るのか、目的さえはっきりさせていれば、只々しんどかったね、楽しかったねで終わらずに得れるものもたくさんあると思います。

発表の場であり、育成の場であって欲しいな

一方で場を提供するディベロッパー側に対して思うこともあります。

百貨店やファッションビルの担当者の方と話していても、「どこかいいブランドないですか?」とか「最近調子いいブランドとかないですか?」って感じで、何かとPOP UP SHOPを展開してくれるブランドを探していたりもします。

出店していないブランドに展開してもらう事で、普段展開のない商材で売り場の鮮度をつくれるのですから。

それに取引条件にもよるでしょうけど、ほとんどの場合は持ち出しのお金はかからないですし。

でもこれってすごい一方的な話しだなって。

目的は前述したようにブランドとディベロッパー側、お互いトライアルだと思います。

だからこそどちらにとっても無理ない状況で行わなければならなくて、片方は営業だPRだと割り切らなければいけないのはおかしいんじゃないかなと思います。

酷い場合には売上げを厳しく追求されることもあります。

ビジネスなので、当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、ディベロッパー側にとっても、自分たちの売り場に求められているかどうかを測る場なのに、「売上」だけ追ってしまうと、達成するために無茶なことをブランド側がしてしまうことだってあります。

当日売り上げをよく見せる為にその場しのぎな集客を行ったり、他の日の売上をためておいて計上したりといったこともあるでしょう。

そんなことをしても、実際に反響があったのかどうか、いざ出店したところで継続的な売り上げを確保できるのか、そういった部分が見えづらくなりどちらにとってもメリットがなくなってしまいます。

自分たちの売り場との買い周りはどうなのか?客層はどうなのか?単純な売上だけではなく、そういった面を評価した上で、育成する気持ちで見てもらえればブランド側にとっても挑戦しやすくなるのではないかなっと思います。

むすびにかえて

繰り返しになってしまってますが、ディベロッパー側にとってPOP UP SHOPは自分たちの顧客に楽しんでもらう場であり、まだ未熟なブランドを育てる場であればなと思います。

ただそうはいっても誰でも彼でもと言うのもまたいかがなものかなと思うので、そのあたりの選別は大事なんだろうなとも思います。

ブランド側も多少なりともお金のかかる事だとは思うので、売上が厳しい状態では安易に手を出さない方がいいのではないかと思います。

一定の売上げを超え、キャッシュフローも良好に回る様になってきたタイミングで行うことをおすすめしたいです。

別事業の売上げがあったり、いくつもブランドを抱えていて、資金に余裕があるような企業は大丈夫でしょうが、自己資金やわずかな投資で始めた様なブランドが安易に手を出して、資金繰りがショートしてしまっているケースも結構多いです。

旬な内にと拡大を急ぐブランドも多いですが、ゆっくりと徐々に伸ばしていけば、フレキシブルに対応できる事も増えます。

多額の投資を受けて始めた場合など、結果を急がなければならなかったりすることもあるでしょうが…。

そういう部分でも双方が歩み寄れる様な環境に業界として変わればいいな、なんて思ってます。

SHUN-TALOW
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FASHION PLANNER。 ファッションブランドや関連事業のプランニングをしてます。満33歳 ガニ股 協調性があり、わがままを言わない、自分に厳しく、将来設計がしっかり出来ていて、マイペースではなく優しくて今どき珍しく一途で理想的なAB型男性 マイブームは自分です

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