その服はどこから

こんにちは、こんばんはしゅんたろうです。

色々なネット販売を行えるサービスができたり、手軽に仕入れをできるサイトもあったり、個人でも簡単にブランドというのか、セレクトショップというのか、とりあえず簡単に商売を始める事もできるようになりました。

そんな方々の商品サイト(その人達だけって訳では無いけど)を見てると「いやっ、商品情報少なすぎない??」って思ったりします。

具体的な点だと、僕は原産国表示とか品質についての表記がされていないと、不安になり、怪しい商品なのかな?なんて思ったりします。

そういえば、当たり前のように明示してたけど、実際それってルールってあんのかな?ってなったので、今日はそんな原産国・品質表示について書いていこう。

品質表示について

誰かが”繊維・アパレル業界で大きな統括基準のひとつとなるのが品質表示です”って言ってました。

誰が言っててもいいんですけど、実際に繊維製品が消費者庁で定めている「家庭用品品質表示法」の対象範囲であって、その第2条1に「繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具及び雑貨工業品」と明記されているので、品質表示の義務はあります。

ここでいう繊維製品の定義は、糸、織物などの布、衣服(衣料品)・身の回り品(帽子・鞄・靴など)です。

手持ちの服を見れば、国内で購入した衣料品なら必ず裏側(よくあるのは左脇)、肌着とかなら外側にシールで貼り付けられたり、品質表示ラベル(品番、混合率、製造会社(販売会社)、洗濯表記、原産国等々が記載)が付属されてます。

この法の説いてる品質表示の方法を具体的に示しているのが「繊維製品品質表示規程」とここまではルール化されてます。

でも「家庭用品品質表示法」にも「繊維製品品質表示規程」にも、冒頭で言った原産国表示はとくに義務付けられてないんですよね。

その理由が、原産国表示の法的義務化は、WTO(世界貿易機関)のTBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)の指定する強制規格に該当し、国際競争力・貿易力を阻害するものだと判断されてるからです。

とはいえ、国内で販売されている商品のほぼ全ての衣料品には原産国表示がされてるのは「一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会」という機関が自主的な表示を企業に勧めてるって背景があったりします。

最終的な原産国の決定方法

なんで一般社団法人の様な機関が原産国表示の自主的な表示を勧めているのか?それに、強制力も無いのになんで皆それを守ってるのかな?とも思います。

その背景にはラベル偽装などが頻繁に行なわれてきたという過去があります。

ひと昔前、ってか今もそれなりにあるけど、日本の消費者観点では、欧米製の品質は中国・アジア製より高いと感じる傾向があったり、中国・アジア系と比べると国産品の方が優れているって考えの人が大半。

そういう意識もあって、製品縫製後にブランド名が描かれた織りネーム(よく首とかについてるタグ)だけを国内で縫って【MADE IN JAPAN】を謳ったり、そもそもの生産地がどこであっても【MADE IN JAPAN】と言って販売しちゃうなんてことが横行していたそうです。

本来はどうやって原産国が決まるのかと言うと、前述の機関による規定によれば、ニット生地から製造した衣料品は編立または縫製、織物生地から製造した衣料品は本体縫製が、それぞれの原産国。

革製衣料と毛皮衣料についても原産国決定の工程は製品縫製と指定されてます。

アジア圏の品質管理技術の向上やファストファッションの浸透もあって、消費者観点からも原産国にこだわる人も減ってたりと、産地偽装は現在は減少してるし、狭い業界、悪事もすぐバレるので、ほとんどの企業も真面目に表示してます。

自信があるからこそ積極的に表示

原産国表示を行う企業も増え、産地偽装などは減少されてると言っても、それでも積極的な表示が行われているかと言われるとそうでなくて、最近は生産加工工程もグローバル化し、複数の国が生産工程に係わる事もあるし、本体縫製って言っても特定しにくかったり、製品自体には品質表示が付属されていても、それがECサイトなどでは表示されていないなんて事も結構あったりもします。

そんな状況を見ると無知か故意かはわかりませんが【欧米製の品質は中国・アジア製より高いと感じる】【中国・アジア系と比べると国産品の方が優れている】という様な考えって、消費者よりも作り手側にはまだ根強く残ってるのかな?なんて思ってたりもします。

もし故意でそんな理由なら、自分達で自身を持てない商品を消費者に向けて販売している事自体がおかしいですよね。

いかにかっこよく取り繕っていても、いかにそれっぽく見せていても、今の消費者には見透かされます。

消費者は自分のライフスタイルや価値観、自分が何故それを買ったのかということをSNSやレビューサイトなど様々な場面で【発信する側】へと変わっていますし、発信するという行為は同時に自分の信用に繋がるのでより敏感になります。

D2Cやテックファーストを謳っている企業であれば、そういう点は僕よりも大事さをわかっているでしょうし、そういった点でも誠実である事って重要じゃないでしょうか。

結局は企業やブランドの倫理観かなと

法律的には消費者に誤認を与える表示をしてはいけないとされていても、原産国表示を義務付ける法的な規制はありませんし、義務付けする事もできません。

誤認されるおそれがなければ表示する必要もありませんし、しなくても罰則もありません。

僕も別に原産国表示にそれほどこだわってる訳でもないけど、大事なのはCSR(企業の社会的責任)の立場や価値観の変化から考えて、提供できる情報は積極的に表示していく姿勢じゃないかなって思います。

それって、まだ言葉だけが先行してしまっている感もある【エシカル】【サステイナブル】の様な概念にも繋がってくことだとも思いますし。

「どこどこで作られたから買いたくない」なんてことなくて「どこで、どんなふうにつくられたのか分からない商品は買いたくない」

エシカルやフェアトレード、カルチャーなどをテーマにして商品展開を行ったり、店づくりをするブランドも増えてるけど、今回取り上げた原産国の表示なんかはトレーサビリティー(追跡可能性)においては最も基本的です。

こうした意識も一朝一夕に身に付くものでもないので、まだまだだと思われたら、早速の取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。

しゅんたろう
About しゅんたろう 32 Articles
1986年生まれ。 マロニエファッションデザイン卒業後、OEM企業での企画営業を経てMARKSTYLER社に入社、営業/MDを経験後、新規ブランド開発部門にて部門長としてブランド開発を行う。 退職後、CLANE DESIGNの立ち上げに参画し、ブランドマネージャーとして従事 2017年より独立し、1Q86.LLCを設立。 アパレル企業を中心にマーケティング/営業代行、ブランドディレクションを受託。 2018年にはアパレル生産SaaSの[AYATORI]を運営するDeepValleyの創業にも参画し取締役に就任。

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