ブランドがオウンドメディアを運用する理由って様々あると思うんですが、各社の運用状況を見ておりますと、戦略や方針が何となくわかってくるから面白いです。
単純に売上を伸ばしたい感が強く出ているところもあれば、ブランディング重視なところもあったり、はたまた戦略がぶれぶれなのがバレてしまったり…。外側からちょっと見るだけでも何となくわかってしまうから、戦略はきっちり組まないと怖いですね。
筆者は職業柄、新しいオウンドメディアがリリースされたらすぐチェックをするのですが、今回はそんなファッションブランドのオウンドメディアを簡単にリサーチした結果についてお話できればと思います。
○USAGI MAGAZINE(ウサギマガジン)
マッシュスタイルラボが運営するUSAGI ONLINE(ウサギオンライン)から派生したオウンドメディアであるUSAGI MAGAZINE(ウサギマガジン)。
マッシュは今まで、自社ECモールであるUSAGI ONLINEで自社ブランドをECを全て販売していたのですが、現在は各ブランドごとにもECを展開するに至っています。ブランドの世界観を適切にユーザーに伝える為には、こちらの方が正しい施策でしょう。サザビーリーグがかなり早い段階でモール展開を辞め、各ブランドごとのEC展開に切り替えた事は記憶に新しいです。
サザビーリーグが自社モール終了、ブランド別オンラインストア開設へ
ブランディング巧者のサザビーらしい方針ですね。効率は落ちますが、中長期的なブランド戦略を考えると正しいと思います。
しかし、こうなってくると困るのはコンテンツ量。各ブランドの自社ECのコンテンツをちゃんと確保しなければなりませんから、今までウサギオンラインに充てていた分をそちらに回すとコンテンツが減ってしまいます。今回のオウンドメディアのリリースは、ウサギオンライン内のコンテンツを拡充し、集客を担保する為にも必要だったと推測します。
ウサギオンライン直下のディレクトリにウサギマガジンが格納されていますので、ウサギオンラインのページ強化も合わせて取り組まれていて合理的ですね。
○コンテンツの方針
記事更新はオープンから大体、1日5本以上は更新されていて、高い頻度で更新されています。ジャンルは、
・fashion
・beauty
・sports
・life
・food
・baby&kids
の6ジャンルで、サイト構成は至ってシンプル。随所にマッシュの商品紹介へのリンクが貼られていますので、メディアを起点に集客をするというより、既にあるリソースを使ってメディアを始めたという印象。ライフスタイル全般的に商材を持つマッシュだからこそできる内容ですが、商品への導線があからさますぎるし特定の付加価値・世界観が見えにくいので「オウンドメディア」にする必要があったのかちょっと疑問。
記事を執筆しているライター陣もインフルエンサーを起用。(美容ライターだけややフォロワー少ないですが。)数万フォロワーを抱えるインフルエンサーライターであれば、執筆した記事を拡散するのも容易です。
メディア本体のソーシャルでの拡散は今のところInstagram一択。ユーザー属性考えたらまずはこれで十分な気はしますが、インフルエンサーからの拡散あるのにエンゲージンメントがめっちゃ低い…。テーマ設定がざっくりだし、機能しているとは言い難いですね。
○メディアとしての特色は?
マッシュがライフスタイル全般にビジネスを展開しているので、それに合わせたコンテンツを用意できるというのは強みではあるのですが、メディアとして強い特色があるのかと言うとまだそれは見えてきません。(上記がABOUTページですが、本当にアバウト…。)
現状は、マッシュの商品をわかりやすく説明するくらいに留まっていますので、ユーザーに何を伝えていきたいのか?また、それがユーザーにとってどんな付加価値があるのかが明確になってくると、オウンドメディアとして面白くなってくるんではないかと思う次第です。
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