ファッション業界でweb関連のお仕事をしておりますと、普段webを一切触らない方々からのご相談が非常に多く来たりします。
「何でこんなにみんなアナログなんだ?」
と思うのですが、ファッション業界はリア充な方々が多く、webの世界に没入する時間など無かったのでは?と僻みにも似た仮説を立てております。(怖くて検証できません。誰が非リアや。)
そんな方々のご依頼を聞いておりますと、
「いや、それうちの業務と違う…。」
という事も多々あるのですが最終的には、
「面倒だからあなたが窓口で全部ディレクションして!」
という話になってしまい、自分の意図とは全く違う方向で案件を獲得してしまうケースもあったり。
という訳で、今回は依頼内容とご依頼する相手のスキルセットについてお伝えできればと思います。
・ECを強化したい!
はい、まずは弊社で一番多いご依頼ですね。EC全盛の時代ですから、「やっておかないとやばいよね。」という理由だけで突撃してくる方もいらっしゃいます。自社のチャネル戦略の一つなので、必須かと言われると「方針による」としか言いようが無いのですが、ここで2つのパターンに分かれます。
①ECモール売上アップ
②自社EC強化
ざっくり分けるとこの二つ。①はスタートするのが容易なせいか、既に参入してから相談される事が多いですが、売上が頭打ちになってくると、コンサルを探し出す傾向にあります。弊社はモールの相談は専門の方に振るようにしていますが、基本的にはモール内での集客とCVの獲得になるので自社ECのやり方とは大きく違います。モール内でのSEO対策やクーポン・タイムセールのタイミングなど、モールのルールを熟知している方が適任でしょう。ここは必要なスキルが非常に明確なのでご依頼しやすいです。
問題は②ですね。こちらになってくると必要な要素が一気に増えてきます。
・ソーシャルメディアを強化したい!
単純に新規の集客を増やしたいのであればわかりやすいのはソーシャルの運用でしょうか。しかし、ここも「運用」と「広告」で依頼する相手が変わってきたりします。
こちらの記事にも詳しく書かれていますね。最近では一般的になってきましたインフルエンサーマーケティングもSNS広告とセットで売られる事が多いですね。市場にはこのような広告系の提案は多いですが、意外と少ないのが運用面の提案。わかりやすくリーチやwebサイトのトラフィックが伸びる広告を求めるお客さんが多いですが、両輪で考える必要があります。
注意すべきは、大手広告代理店の広告プランは値段が非常に高い上に効果が弱い事。「インプレッション」や「リーチ」といった、どれだけ拡散されたか?の指標を用いて煙に巻いてきますが、売上やフォロワー増といったわかりやすい結果に結びつくかは微妙です。もちろん、そんな簡単に効果が上がるものでも無いのですが、弊社の周りでこういった事業をされている方は、大手代理店の水準の半分以下の金額で手がけられたりしますので、事業者の選定は慎重に。ちゃんと結果出している人もいらっしゃいますので、過去実績をしっかり聞いておきましょう。実績ある人はちゃんとお客さんの資本を増やす努力をされています。
運用面はそもそも提案してくれる人自体が広告に比べ少ないのですが、アパレルのソーシャル運用を上手く提案できる人は、やはり業界内でソーシャル運用に成功された実績をお持ちです。ブランディングにも関わってきますので、以前にファッション分野でのお仕事の経験があり、尚且つソーシャル運用の過去実績を持つ人がオススメですね。
・オウンドメディアを構築したい!
もう一つ、集客の相談で代表的なのはコンテンツマーケティングや「オウンドメディア」の運用ですね。自社でメディアを構築してコミュニティ形成をし、ファン獲得して商品の購買へ繋げたい、といった流れでしょうか。アパレルのEC担当者とお話していても、コンテンツSEOの知識が少なく、ブログや特集記事をサイトにアップしていても、ここの経過をチェックしている人が少ないように思います。
また、ショップコセンプトやブランドコンセプトに対する理解も乏しいせいか、日々のコンテンツの企画が自前で担保できずに頓挫する…、なんて事も珍しくないようです。だからこそ外注を使う事も多いのですが、ここで必要なスキルとしては「アクセス解析」「コンテンツSEOの知識」「ライティングスキル」あたりでしょうか。このスキルを持っている人はブロガーに多いのですが、「×ファッション」になった途端、その母数はぐっと下がってきます。ファッション分野に詳しく、尚且つ先述した3つの要素を満たしていると最高ですね。
・その他
上記以外でのご相談となりますと、「クリエイティブ・制作全般」が多いですね。webサイトを新しく作りたい。LPを使って広告を打ちたい。毎月の更新業務をお願いしたい…。といったところでしょうか。ここはweb制作を手がけている企業であれば対応可能ですので、そこまで選定に困る事は無いでしょう。システムを担保するとなると話は別ですが…。大手アパレル以外はそれほど必要ありませんが、店頭在庫連携の導入などが必要な場合は大変な作業になりますので、フルフィルメントの大手に頼らざるをえないかと思います。
ややざっくりですが、大まかにこれだけ押さえておけばそれほど普段の運用で困る事はないかと思います。まずは自分たちの課題を洗い出した上で、「今、何が必要か?」を考え、そこに対して課題解決をしてくれる企業、または人を慎重に選定してください。スキルが無くても「できる」と言うのはその人次第ですし、「コンサル」と名乗るのも止める事はできません。結局はお仕事をご依頼する際に、決裁者のリテラシーしか自分を守ってくれるものは無い事を知って頂ければ幸いです。
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