あと少しで2018年も終わり、もうすぐ新しい年が始まりますね。
2018年、振り返ってみると私は大変エキサイティングな1年でした。
皆さんは如何でしたでしょうか。
ところで、先日文化学園で開催された
「第6回 全国アパレルものづくりサミット」へ参加してきました。
アパレルの国内生産率が3%を切った危機的な状況の中、
「変わらない現状、何を変えるか!」と題して、鎌倉シャツの貞末会長をはじめとした
錚々たるメンバーの貴重なお話を聞かせて頂きました。
私自身、生産管理として多くの国内縫製工場さんとお仕事させて頂いた経験があり、
また今秋に卒業した大学(社会人大学生でした)の卒論でも
「国内縫製工場活性化プロジェクト」と題して研究した事もあって、どの話も大変興味深く、
ものづくりの現場の熱量が感じられ、あっという間の有意義な4時間でした。
個人的に特に印象に残ったのは、
- 岩手モリヤ株式会社 森奥社長の「北岩手」地域をあげて縫製業を活性化する為の取り組み
- 株式会社匠の夢 高倉取締役の「見せる(魅せる)工場」を作り、ストーリーで売る取り組み
- 文化ファッション大学院大学名誉教授 稲荷田さんの縫製技術向上支援と人材育成の考え方
などの、国内縫製工場や機屋の現状を変革する具体的事例のお話でした。
工場の稼働率や売上を上げることも大切ですが、人手不足や職人の高齢化が深刻になっており、
その問題解決も急務な状況です。その為にどう行動するのか、どう変えるのか。
決して難しい話ではなく、ちょっとした発想の転換のヒントと
即座に行動に移せる・真似できる内容で、会場にいたたくさんの縫製工場の方々に刺さり、
行動する勇気を与えられたのではと感じます。
また、私も地方出身者なので、このように縫製業等によって日本の地方が活性化することに
非常に嬉しい気持ちになりました。
国内縫製工場の特徴とは
ここでご存知ない方の為に、少しだけ国内縫製工場の特徴をご紹介したいと思います。
1.地域別特性がある
国内縫製工場は北海道から沖縄まで日本全国にあり、地域によって特性があります。
例えば東北地方は布帛(織物)の縫製に強い、
合繊生地の盛んな北陸地方はカットソーやスポーツ衣料の縫製が得意など。
ひとつの工場の中で生地の裁断、縫製、まとめ、仕上げのプロセスを行う場合もあれば、
地域によってそれらのプロセスを分業している場合もあります。
気候や生地の産地、その土地の文化によって特性があるって、改めて知るとおもしろいですよね。
2.得意なアイテムがある
国内縫製工場には基本的に得意なアイテムがあり、それに特化した生産を行っています。
例えば婦人服のジャケットが得意、薄手のブラウスが得意、カジュアルパンツが得意など。
アイテムにより設備や縫製技術が異なるので、すべてのアイテムを量産できる工場は希少です。
なのでセットアップを生産する場合、トップスとボトムで生産工場が異なるケースが多く、
生地の出荷や生産数の調整など、生産管理の腕を試されるケースもありました。
(大変でした・・・笑)
3.女性が活躍している
どこの工場も5〜10人くらいのグループ(縫製ラインと呼ぶ)に分かれて、
パーツ毎の担当制で縫製します。(袖付けだけを行う人、など)
ミシンを踏む方々は地域の「お母さん」が主流です。女性が多いです。
日本の素晴らしい縫製技術は地域のお母さん達に支えられていると言っても過言ではありません。
私も服飾専門学校でミシンを習ったことがありますが、
ベテランのミシンの速さと縫いあがりの美しさ、感動モノです!
ちなみに、稲刈りの時期は工場の稼働がストップするなんて日もあります。笑
他にもいろいろあるのですが、今日はここまで。如何でしたでしょうか。
各地の縫製工場さんに触れると、その地域の文化を知れるので、私は大好きです。
DeepValleyでは現在、“製造トラブルを「ゼロ」に”を目指した
モノ作りマネジメントツール「AYATORI」の開発真っ只中です。
国内縫製/ニット工場さん達にも便利に使って頂けるようなプロダクトになれるよう、
来年も猛進したいと思いますのでよろしくお願いします!
年明け早々にはAYATORIのβ版リリースを予定しています。乞うご期待!
それではみなさん、よいお年をお迎えください〜
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