[アパレル業界の未来]トレンド編

みなさんごきげんよう!代表の深谷です。
アパレル業界の人も、そうでない業界の人も聞いたことある「トレンド」という言葉。

よくよく考えて見ると、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークで短期間の開催し、それが時間をかけて日本の片田舎まで広まって、産業に大きなインパクトを与にくるというメチャクチャすごいマーケティング/プロモーション の仕組みだと思います。

うちでも書いて貰ってる深地雅也さん(@fukaji38 )のSTYLE it.さんの記事にもわかりやすく記載してあるので、こちらもよかったら見てください。
今更聞けないファッション業界のルール:「トレンドはどう生まれる?」

これを踏まえて、アパレル業界の未来にトレンドはどう関わって来るのか?それを考察して見たいと思います。

イノベーター理論

まずトレンドと切っても切れない関係なのがこのイノベーター理論。
新しい発想や技術を元に登場した商品やサービスなどの市場普及に関する理論のことで、消費者を5段階に分解します。

・イノベーター(革新者):2.5%
・アーリーアダプター(初期採用者):13.5%
・アーリーマジョリティ(前期追随者):34%
・レイトマジョリティ(後期追随者):34%
・ラガード(遅滞者):16%

新しいもの好きで積極的に取り入れる人達がイノベーターで、消極的になればなるほど、ラガードへとなって行きます。

アパレルトレンドも同じくで、アーリーアダプターがインフルエンサーに近い感覚になるんだと思います。テイストでのセグメントはあれど基本的にはアーリーマジョリティとレイトマジョリティが圧倒的に多いです。

日本のマーケットだとこの一番多い部分を「マス層」とし、そこにアプローチするブランドが非常に多く、消費者もトレンドに流されやすい「マス層」が市場を形成する巨大マーケットになっており、もはや飽和とも言える規模になっているのが現状です。

価値観の多様性

そして現在、未来は、更なる「価値観の多様化」が予想されます。上記で記載しているようなテイストのセグメントが更に細かくなっていくイメージです。

なぜなら「消費者の信用する情報」に変化が見られつつあります。経済の成熟も寄与してそうですが、何よりデジタル化により情報が今までよりもスピーディーに発信したり、受信したりできるようになりました、それはトレンドが流れてくるよりも、実際にコレクションで見せたアイテムが店頭に並ぶよりも遥かに早いスピードで流れます。

情報の発信源がプロだけでなく、一般人でも自由に発信できるようになったことで、今までのような「トレンド」の流れに変化が起こる可能性を示唆しており、アーリーアダプターは自身の発信価値を上げるために、差別化された情報の発信が増加されているように感じます。

それが故に、その情報を受け取った「マス層」が個別化された「独自価値を持ったマス層」となる現象が起きています。

その独自の価値をSNSやコンテンツマーケティングで集約して、そこへマーケットインでブランド提案をしていくビジネスモデルが「独自価値を持ったマス層」を獲得することで、売上のシェアを伸ばしているように思います。

アパレル業界のトレンドはどうなる?

トレンド自体が変化するとは言えません。
ただ「トレンドの波に流されるだけ」のマス層が受動的に情報を獲得していく状態から「積極的に自身の独自価値にあう情報を取りに行くマス層」となったことで、トレンドを追えば売れる。のようなあっちもこっちも同じ服で、髪型と小物が違うだけー!みたいな現象は減って来るでしょう。

さらには、自分は「エシカルが好き!だからそういう物を選ぶ!」って人だったり、「自分のサイズに一番FITする物が欲しい!」「昔ながらのきっちりしたスーツがきたい!」「ファストファッションで着れたら十分」「いやいや、パリコレでモデルがカッコよくきてるラグジュアリーブランドをきたい!」などなど、価値観が多様化してくると思います。

個人的にはアレがイケてて、アレがダサい。みたいな価値観やセンスにより、認め合うことでできて、淘汰されない世の中になったら、もっと目立とう!とかもっと個性出そう!っていうのが、人の目を気にせず日常でできるようなったらファッションってもっと楽しそうだな。って思っています。

さいごに

いかがでしたか?

ファッション好きな人達は「アーリーアダプター」な人が多い印象です。
ただ、それは「流行ってるもの」が好きなのではなく、パリコレなどで演出されたアートとも言えるそのファッションやスタイルを見た時、着た時に感じた、「衝動」や「感動」に震えた経験が好きなんだと思います。そして、それを身に纏うことで「背筋がピッとして」少し自信がもてたり、コンプレックスを解消してくれたりする自己表現の手法としてのファッションが好き。って人が多いですかね。

そんな「アーリーアダプター」と「マス層」の間にはキャズムが存在します。キャズムとは初期市場とメインストリームを隔てる溝のことです。

そもそもファッション好きな人達も、「マス層」が個別化された「独自価値を持ったマス層」に変化していくという可能性を考えてみて欲しいですし、そうでない人については「ファッション好きな人達はアーリーアダプターだから、戦略が少し違うんだ」という双方への理解が必要だと思います。

好きか嫌いかはおいといて

深谷玲人
About 深谷玲人 33 Articles
株式会社DeepValley(ディープバレー) 代表取締役社長 深谷 玲人(Fukaya Reito)。 アパレル業界に10年経験があり、販売からMD、ブランド長まで経験したのち、ITベンチャー企業に転職し2年半、カスタマーサクセスとしてインサイドセールスのコンサルティングを実施、双方の経験を合わせ、アパレル業界に特化したIT企業として2018年5月に独立。アパレル生産特化システムの開発と、TokyoFashionTechnologyLabで講師を務める。

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