アパレルブランドも、ShopyfyやBASE、カラーミーなどインスタントプラットフォームと呼ばれる簡単に作れるサービスが出来、ものすごい勢いで増えたと思います。
ただ、いざ作ったはいいものの、そういった際に忘れられがちな部分っていっぱいあると思います。
今日はそんなネットショップに関してのお話。
はじめに余談
例えばアップルの製品は、どれもすごくおしゃれです。
実はおしゃれなのは結果であって、故スティーブ・ジョブス氏の自伝などを読めばわかりますが、アップルの製品においての最優先事項はユーザビリティーだと言っていました。
デザインが先行していた訳でなく、どこよりも見やすく使いやすく、デザインから無駄を省いていった結果がミニマムなかっこよさが生まれた要因となりました。
一方、多くのアパレルブランドでは装飾を付け足し、華やかに彩る事で価値を高めるかという考え方が主流となっていて、ユーザビリティーが低く、ミニマムを好んでいる世の中全体の流れから、少し取り残されてしまっているようにも感じます。
ユーザーインターフェースは一番重要な部分!?
昨今EC関連のITソリューションは多々あります。
中でも先行しているサービスである、バーチャサイズは多少費用はかかるかもしれませんが、素晴らしい機能だと思います。
他にも、導入したい、するべきだと思えるツールは他にも色々とあるでしょうが、まずはサイトのユーザーインターフェイスを使いやすいものにできていない限りは、ツールを取り入れてもあまり効果は得られないと思います。
先述した様なシステムも広い意味ではユーザーインターフェースの一つなのかもしれませんが、その前にサイトTOP・商品ページ・カートなどの視認性なんかが重要なんじゃないかなと思います。
自社ECやアプリは、売り上げはもちろんですが、既存の顧客やサイトのファンとのコミュニケーションツールと考えるべきではないでしょうか。
単純に売り上げが欲しい、ブランドの知名度を上げたいという事を求めるのなら、ZOZOTOWNなどの有名モールに出店すればいいだけです。
あえて自社サイトを運営するのであれば、どうしたらファンの人が使いやすいサイトになるのか、どんな体験をサイト上で提供できればもっとファンになってもらえるかなどを第一に考えながら取り組むべきだと思います。
その一つの方法がシステムの導入ではないでしょうか。
いちばんの指標はやっぱりお客様の声
「いちばんの指標はお客様の声」というのは商売においての基本です。
お客様の生の声を聞けるというのは、店舗だからECサイトだからの違いはなくすばらしい環境と思います。
例えばNPSの導入なんかはすごくいいんじゃないかなと思います。
社内的にもNPSを実施することで、消費者の声、イメージを知り、アウターブランディングとインナーブランディングの乖離を埋めることもできます。
よく【社員が同じ方向を向かないと】といった言葉を耳にしますが、それを実現するのなら、現状把握という意味でもとても意味のあるものなんじゃないでしょうか。
ユーザビリティーを上げることがファッションの勝ちパターンになる。
多様化する趣味嗜好においては、ヒエラルキーの上から落としていくのではなく、ユーザーがいいという商品を作っていく方が先進的なのかもしれません。
カリスマ性よりも共感性という感じで、見た目ですぐに他との違いが分かるデザインではないのであれば、消費者への伝え方、コミュニケーションが非常に重要です。
細やかな商品説明や作り手が何を考え、どういう経緯で作成されたか、それが共感や信頼に繋がっていきます。
オウンドメディアを運営するのであれば、ファッション業界が重視しがちなクリエーションやデザイナーのスター性でなく、みんながこういう風に考えて作りました、というストーリーやケア方法などの記事をベースにするのもいいと思います。
基本アパレル企業では、競合に真似されるのを嫌がって取り組み先の工場の情報などは伏せがちですが、そういったところも公開できるところは公開しながら、ファッションビジネスではなくファンビジネスというような捉え方でやっていくことも今の時代には共感をうむ一つの手法ではないでしょうか。
データ解析は行っても、ツールに頼りすぎない
テックサービスといっても決して万能なものではありません。
たとえばメルマガひとつとっても、「〇月にこれを買ってくれたお客様にはこういう案内をしよう」というように、アナログに、一つひとつ考えることが重要です。
消費者の年間のライフサイクルとアパレルのシーズン性は大きく乖離があります。
アパレルは2月の末から3月にかけてが立ち上がりで繁忙期としていることが多いですが、実際に購入したいのは、一般的に新生活がはじまる3月後半から4月の中旬くらいではないでしょうか。
消費者の行動とアパレルの商品のサイクルを照合した時に、どういったアプローチをするべきかは担当者のアナログ的な感覚が重要に感じます。
ファッションの感度が高い人もいれば、そうでない人もいます。
そこに対してどうセールスをしていくかを考えると、それらを汲んでアプローチしていかなければならないんじゃないでしょうか。
細やかなズレをなくすことが売り上げやファン獲得につながる。
先述した企画と販売だけでなく、店舗とECでも顧客の消費サイクルは少しズレていたりします。
そのズレをなくしていく作業は、実際に販売する販売員の人たちから考えれば当たり前の事なのですが、ECサイトではそういった細かい調整は、こぼれやすい部分であると感じます。
商品レイアウトが変わるように、表示順を変えたりするのもその一つです。
コンテンツの作り方や売上を上げるだけでなく、そういった取りこぼしを拾うような考え方もECサイトでは忘れられがちな部分です。
最後に
極論かもしれませんが、自社ECは「路面店」と同じだと捉えるのがいいと思います。
ウィンドウはTOPバナーや商品画像、接客はコメント、レジ周りは決済のシステム、といったようにすべて置き換えれませんか?
路面店もただそこにあるだけじゃ人はこないですよね?
トラフィックを上げるためにSNSを活用したり、魅力的な内装にするように、サイトデザインを作り込んだりと店舗ではできるのに、ECサイトではできないってことが多く感じます。
色んな細かなところに目を向けて見るだけでも、少しは状況が変わって来ると思いますよ。
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