アパレル生産管理のABC

こんにちは、こんばんは。DeepValleyです。

GW前の最後の一週間ですね。アパレル業界の皆さんはGW前の最後の追い込みでとても大変な時期ではないでしょうか・・・

さて、今回は久々にアパレル生産管理について。

最近Twitterで生産管理のうまいやり方が分からないという投稿を見かけたので、経験者としてコツや知っていた方が良い事(How to?)を筆者なりの視点で書いてみたいと思います。

アパレル生産管理の仕事で必要なスキルとは

前回、アパレル生産管理の仕事について書いた際のおさらいになりますが、そもそも、生産管理というお仕事は「QCDRコントロール」だと言えます。

◆QCDRとは?

品質(Quality)

価格(Cost)

納期(Delivery)

リスク(Risk)

QCDRコントロールというのは何もアパレルの生産管理に限る話ではなく、すべての製造業、紙やWEBの媒体、IT業界にも共通する概念です。

つまりたくさんの人達と関わりながら決められた予算や納期、品質基準の範囲内で、トラブルを未然に防ぎながらモノ作りを進行管理する、ということですね。

それを踏まえた上で、アパレル生産管理の仕事で必要なスキルを考えると、下記3点に分けることができます。

①生産進行管理能力(他業界にも通じるもの)

②コミュニケーション能力

③アパレルモノ作りの知見

このように分解してみると、自分に何が分からないのか、何のスキルが足りないのか、見える化できると思います。

生産進行管理能力は他業界から学ぶべし

はじめに①生産進行管理能力ですが、他業界に共通するということは、他業界にたくさんノウハウがあるかも、と思いませんか?はい、あるんです。笑

WEBディレクターとかプロジェクトマネージャーとか、たくさん本になってるので、簡単なもの(例:誰でも分かるシリーズとか)から何冊か読んでみることをおすすめします。

そして周りの友人や知人でそういう仕事をしている人に聞いてみるというもの有効です。

業務に置き換える事で身に付きやすいですし、異なる業界の新しい見方を取り入れることで「あれ?これって実は無駄?」など、効率的だと思い込んでいた部分を疑って改善する事もできます。

視野を広げる意味でも、他業界のメソッドから一度学んでみてはいかがでしょうか。

(現に、私はマスコミ業界で進行管理をやってアパレルに転職したので、この辺りのスキルが非常に役立ちました)

②も同様ですね。関わる人が多い生産管理は、コミュニケーション能力が必須、特に下記2点が重要です。

 ✓いかに誤解なく正しい情報を自分が相手に伝えられるか

 ✓相手の情報を正しく理解できるか

アパレル業界は同じことを話しているようで若干ニュアンスが違うなどの”定義の認識の相違”が割と多いです。

そしてそれによるコミュニケーショントラブルがとにかく多い・・・!

生地屋さんや工場さん、プレス工場さんなど、それぞれ立場の違う人とたくさん関わるから当然ですよね。

「自分の常識は他人の常識ではない」事をまず認識し、双方が気持ちよく仕事するための気配りが必要になります。

コミュニケーション能力関連の情報は①の本に並んで書かれている場合も多いですし、WEBや本などたくさん情報があり、簡単に実践できるようメソッド化(型化)されています。

うまい先輩や取引先からテクニックを学ぶことも良いですね。

そんな情報やテクニックを学びながら、少し工夫するだけで仕事の質が結構変わったりするので、効果が実感できて更なるスキルアップにつながる好循環も期待できます。

さて、ここまで生産管理能力とコミュニケーション能力について書きました。

が、一番難しくて皆さんが知りたい情報はやっぱり③アパレルモノ作りの知見ですよね・・・!

とは言え、どの業種で生産管理をしているかによりますし、取引先も生産背景も製造方法も三者三様で、一概に言えないのが難しいところなのです・・・なので今回は簡単に汎用的なコツ(?)をお伝えしたいと思います。

アパレルサプライチェーンを見てみよう

ご存知かもしれませんが、アパレル業界のサプライチェーン(製品の原料から消費までの一連の流れ)は、とても複雑です。前述の通り、関わる人も多いとお伝えしました。リレーのようにバトンを渡しながらひとつのモノ作りを行っているイメージです。

なので、③アパレルモノ作りの知見を深めるためには、洋服を作る手法や縫製仕様を学ぶことももちろんですが、まずはアパレルサプライチェーンと関わるプレーヤー(=サプライヤー:仕入先、供給元、納品業者など)を把握し全体感を知ってモノ作りの流れを掴むこと、そして自社に関わるサプライヤーの必要情報を収集することが有効だと考えます。

1. アパレルサプライチェーンと関わるプレーヤーを把握する

下図は私がまとめた例になりますが(参考資料)このようにモノ作りにはプロセスがあり、関わるプレーヤーがたくさん存在することが分かると思います。

それをまず把握した上で、各プロセス毎に自社のサプライヤーに置き換えてみましょう。同時に自社の位置や役割も把握します。プロセス毎に分類すると難しくないと思います。

2. サプライヤーの必要情報を収集する

次に、自社のサプライヤーの必要情報を集めます。必要情報とは、主にQCDRに関わる部分の情報です。コストや品質(技術)ももちろんですが、外的要因も含めた納期に関わる部分は特に重要です。

納期に関わる情報の例を挙げると、

 ✓営業日・営業時間(担当の連絡がとれる時間)

 ✓1プロセスにかかる時間(見積り提出の時間、サンプルや量産の生産リードタイムなど)

 ✓閑散期と繁忙期(生産の山谷)

 ✓住所及び運送にかかる時間・貿易の日数

 ✓使える運送便(+おおよその金額、請求情報もあればベスト)

 ✓国の祝日 などなど・・・

担当者がどんな人なのか?も大切ですね。どんなリスクが考えられるか?サポート体制は?など、これらをサプライヤー毎にまとめて把握しておくと、今どこにバトンがあるのか自然と分かるようになってきますし、いざという時にとても役立ちます。

どのように情報収集するか、ですが、一番簡単なのは現場を見ることです。でも全部が全部難しいと思うのでコミュニケーションの一環で直接サプライヤーに聞いてしまって良いと思います。誠意を持って知ろうとして嫌がられた事はありません。あとは先輩など経験者に聞くのも良いですね。また、最近ではBlog等で発信されている方々も増えていて、非常に勉強になるのでおすすめです。

いずれにしても、相手の置かれた立場や背景を想像すること`が大切です。

さいごに

長くなりましたが、ざっとこんな感じです。うまく伝わりましたでしょうか・・・

まだまだリスク回避術など、書き足りないことがありますが、本日は一旦ここまでとします。

生産管理はとても大変な仕事ですが、その分とてもやりがいのある仕事です。

今でもあの時の信頼関係は生きていて、私のかけがえのない財産になっています。

AYATORIはそんな筆者が生産管理時代にあったらめっちゃ便利!!と思って開発しているツールです。ご興味のある方は是非お気軽にご連絡くださいませ・・・!

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