「仕事出来るなっ!!」って思った販売員Bさんの話

みなさん、ごきげんよう。
DeepValleyの深谷です。

最近 TOPSELLER WEB STYLE というメディアでも執筆させていただいています。このサイトは『全力でアパレル販売員を応援するメディア』という志のもと作られてるサイトです。興味ある人はぜひ見てみてください。

そんな中でファッションテックの分野を担当させてもらっているんですが
『そういえば昔にすげぇ販売員いたな。』と思い出したのでそのエピソードをこっちで書いてみますm(_ _)m

ちなみに前回記事はコチラ『仕事出来るなっ !!』と思った生産管理A氏の話

集計して気づいた異常値

本部MDだった深谷は、各店舗の個人売りの集計をしてました。
その時のブランドは26店舗あり、売上でも40億超えのブランドだったので
販売員の数は確か120名くらいいました。

時間をかけて、定期的な集計を行って
売上ランキングはもちろん、セット率、客単価、客数、別など
様々な角度から分析をしていました。

この中で注意しなければいけないのは役職でした。
店頭に立てる時間が異なるため、どうしてもランキングが下がります。
ただそれが悪いわけではなくKPIが店舗の予算になるので、集計の時に役職欄に記載する程度の問題でした。

そのブランドの販売員の役職と考慮事項は下記です。
・店長 →店頭に立てる時間が60%ほど
・副店長 →店頭に立てる時間が80%ほど
・SV(スーパーバイザー)→基本店舗巡回のため40%ほど
・MG(マネージャー)→視察かイベント時のみ販売

というように役職によって条件も異なるので、変な話ランキングが落ちても仕方ないよね。という程度のイメージでした。

そんな中気づいたのが、あるSVの客単価とセット率が異常に高いことに気づきました。うろ覚えですが、下記のような数値だったと思います。
・平均客単価→16,000円→SVの平均32,000円
・平均セット率1,3→SVの平均2,2

客単セット率を向上させる3つのポイント

はじめは『顧客がいるんでしょ?』と思いました、が
それが違うことは私が一番良くしっていました。

なぜなら同ブランドで地方で店長をしていて、キャリアアップで上京と同時にSVに昇格したからです。(ちなみにこの人はルミネ10%などスポットで入っても単日売上1位とっちゃう人でした)

『なんでこんなに売れるんですか?すごいですねw』って聞いて見ました。本人うまい回答ができずでしたが、聞き出した内容を、いくつかのポイントにまとめてみました。

ポイント①
ロング接客でもなくショート接客でもないミドル接客

2-3時間かけて10万円!みたいな接客でもなく、5分、10分で1万円でもなく
『30分で2点30,000円を狙う』これが一番効率的だと言ってました。
長く時間を取られすぎてもだめ、短すぎると1点で終わっちゃうので
この捌き方が一番効率よく売上をあげれる。と言ってました

これは東京では。と言っていたので、集客力に合わせて異なるのかもしれませんが地方店のころから『ロング接客は費用対効果悪いし、友達みたいになってしまうからやらない』と言ってました。

ポイント②
顧客のクローゼットの中で接客する

これ目から鱗だったんですが、何を持ってるか?やどこのブランドで買うのか?などなどめちゃくちゃヒアリングするんですよね。
接客時間の7割くらいは質問攻めでした。で、どう見せたいか?やどんな服着たい気分か?などなど聞き出してから試着室に入ってもらうんですよね。

顧客のクローゼットの中をできるだけイメージしながら接客して、1週間のコーディネートのルーティンに自社ブランドがどれだけ入れるか?を考えて提案するんですよね。今考えると、ライフスタイルにどれだけ自社ブランドを入れるイメージをさせれるか?ってめちゃ大事でECとかでも結構やってるブランディングですよね。

ポイント③
私に会ったからには何も買わずに帰れると思うなよ

これ本当にこのまま言ったんですけど笑
勘違いして欲しくないのは、脅迫的な内容なのではなく
『私に会って、商品の価値を感じずにはいられないだろ?』ってことみたいで
『失注は自分のプレゼン不足』というマインドで接客しているそうです。

そういえば、何度も何度も本社に連絡してきて、商品のことを聞いたり、展示会の時も人一倍勉強をしていました。そういう商品知識や良く伝える為に考え抜く力も強かったですね。本部がこのSVからセールストーク学んで全国展開していたくらいです。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
実際にこの数字を取れるか?とか販売員の人の参考になるのか?は正直わかりませんが、私個人としてはこの人に接客してもらえるブランドは幸せだろうなぁって思います。

ちなみにこのSVは、実績が評価されMGに昇格しました。
実は他の販売員からの人望もめちゃ厚く、この人によって販売マニュアルも見直されたことで販売員の離職率もめちゃくちゃ下がりました。
(入社3ヶ月以内の社販を無料とストック業務禁止にした気がします、販売したくて入ってきてんのに買わせた挙句、販売させないなんてありえない。って言ってました。)今はもう引退されてますが、ブランドの成長に一役買った偉大な販売員です。

少し前の話しなので、最近は別の価値観があるかもしれません。
しかし今でも深谷は、またブランドやって販売が必要であれば、あんな人に販売に入ってもらいたいなぁと思っています。

深谷玲人
About 深谷玲人 33 Articles
株式会社DeepValley(ディープバレー) 代表取締役社長 深谷 玲人(Fukaya Reito)。 アパレル業界に10年経験があり、販売からMD、ブランド長まで経験したのち、ITベンチャー企業に転職し2年半、カスタマーサクセスとしてインサイドセールスのコンサルティングを実施、双方の経験を合わせ、アパレル業界に特化したIT企業として2018年5月に独立。アパレル生産特化システムの開発と、TokyoFashionTechnologyLabで講師を務める。

Twitter

facebook

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*