こんにちは!
いよいよ・・・いよいよ秋到来!!!
いえ〜い!!
この秋はかなり服を買い足していて、とてもいい体験が続いています!
それもこれも私が出会うアイテム一つ一つを手塩にかけて作ってくださる方々がいるからだなあ・・・としみじみです。
(クマがどんなものを買っているか気になる奇特な方はInstagramに載せているので気になったら見てみてください。Twitterにも載せてるんですがハッシュタグまとめもしてないから流れてしまった・・・)
じつはそのさらに裏側には、生地、附属(ファスナー、リボン、ボタンなど・・・)、縫製・・・様々な分野の作り手たちが己の領域で仕事をしているんですよね。
私も一作り手なので手塩にかけて作られた”素材”や”技”に、よく出会います。
彼ら彼女らにとって、そのこだわりはごくごく当然のものであることが多いのだけど、そういうものを知り、掛け合わせることで「これをこんな風にしたらいいかも!」というひらめきにつながったりします。
今回は一つ前の記事、『うにくまは見た!生地になる前の糸の謎』で紹介した世界中から集まったふわふわ&もこもこたちが、どんな風に糸になっていくのか・・・
今回は糸までです・・・
生地になるのは次な・・・
なぜかというと、糸になるためにこの敷地面積・・・(遠い目)ってなるくらい、それだけの敷地を要するほどに、工程が多いんです。
あなたのその服も、ひょっとして自然のもの?
いくら人が作ってるって言っても、
ポリエステルや人工繊維も世の中にはあるって言っても、
やっぱりまだまだ私たちの暮らしに、天然繊維はなくてはならない存在。
今回伺った大正紡績さんは、獣毛×綿などの素材も初期の頃から着手されています。
それゆえ、前回お見せした倉庫もなかなかのスケールでしたが、いよいよ紡績の現場に入るぞう・・・!って入った倉庫にまた・・・
ふわ&もこたち〜!!!!!!(コール&レスポンス)
ここにあるのは、染め上がってきた繊維たち。
ほかにもカシミヤ、キャメル(ラクダ)、ウールなど・・・
さまざまな獣毛たちも、きちんと整頓されて置かれています。
うにくまポイント 生地には、超ざっくり大きく分けて大きく分けて「後染め」「先染め」があるよ。 「後染め」は生地になってから染めるもの 「先染め」は生地になる前の糸で染めるもの じゃあ上の繊維たちはなぜ染まっているのか・・・ 詳しくは下で!
さらに奥へ進んでいくと・・・
「この機械はヨッシーっていいます」
くま「ヨッシー・・・(きゅん」
綿花は花、自然の素材にはどうしてもその葉っぱや栽培時につく異物があります。それらが0になって日本に届いているわけではないんです。
このヨッシーは、赤いおじさんは背中に乗せないけれど、その異物を取り除いていく機械。
こういった異物を、職人さんたちはコンタミ(コンタミネーション=混入物の意)と呼んでいて、綿花の栽培地域によって、混ざってくるものも違うそう。
生地でもたまに、ネップや取りきれなかった綿の葉っぱのかけらが混ざったりしているけどこれは自然由来の証拠なんだね。(この場合はキズじゃないんだよ〜)
野菜もそうだけど、綿花も時期や個体によって微妙に色が異なったりするから、混ぜたり、除いたりしながら、一定の品質を保てるようにする工程が上の写真。
ながーい一連のレーンになっていて、かなりの距離を要します。
うにくまポイント この工程を混打綿というよ。
いよいよ”ふわふわ”が”ふぁっふぁっ”になるとき!
ここから繊維の向きや長さを整えていきますよ。
上の写真でわかる通り、品種によって繊維長や肌触りも変わってくるので目指す風合いをつくるため、種類を混ぜたりしながら整えていきます。
じつはこの間に、うにくまは工程がよくわからなくなっています。
よくわからなくなっていますががんばります。
もみもみして白度を揃えるための旅を終えた綿たちは、梳綿という工程に入ります!
うにくまポイント アパレル業界ではよく聞く、"梳"という字。 細くて長くて繊細な毛や繊維のことをいうと専門学校では習いました。 梳綿は、綿繊維の長さを揃えて束ねていく工程なんだそう。
ふわ&もこだったのが、ふぁっふぁっです。
たまらん。
このふぁっふぁっの状態をスライバーといいます。
近くの機械で、キャメルの毛もつやんつやんになっていっていました。
いよいよ繊維っぽくなってきましたね。もこもこがそのまま、いい感じで糸になるわけではないんです。
次!
ここまできたけど、まだ糸じゃない
なんじゃこりゃ〜って感じなんですが、ふぁっふぁにした繊維たちは、こんな束になるまで、なんどもなんども、繊維を引き伸ばしてまとめていきます。
ふたつめのセクションで、繊維の状態で染めるものについて言及していましたが、ここからがその理由です。
二色を混ぜて繊維の束にしていき、
こんな風に混ぜてから糸にしていったり、
下のように別々の束を
撚って撚って
ざっくり糸状にしていきます。
この糸、みなさん生地では絶対に見たことあります。
パーカーの霜降りグレー(白とグレーが混ざったグレー、杢グレー)の糸は、こうやって作られていたりします。
まだ糸じゃない。
もうええやんって感じかもしれませんが、
まだ・・・
まだ糸じゃないんや・・・・
これに、どんどん撚りをかけていく。
細く細く・・・
どんどん細くしていって、こんな感じに。
これを今度、巻き直すんですよ。
染め工場さんや、機屋さん、編み屋さんに出す状態に巻き直していきます。
次の工程によって、巻き直す形状も違います。
そして、最後に検品です。
糸になってる・・・!
ブラックライトに当てて、異物がないか検品していきます。
ここからこの糸の長い長い旅がはじまります。
服になるための長い旅です。
この見学で、うにくまは確か、1時間半くらいお時間をいただきました。
紡績をするために、こんなに広い敷地で、こんなに人が関わっているということが知れたのがとてもよかったです。
機械でオートメーション化が進んでいるとはいえ、やっぱり人の手で保たれる高品質が、日本の(時に異常なまでの)消費者に寄り添った品質を担保しているんですね。
次回、これをカットソー生地にしていくよ!