小売業を再開して漠然と感じたこと

こんにちは、こんばんはしゅんたろうです。

年が明けて、もうすぐ1ヵ月が経ちますが、そろそろ年始の雰囲気から日常を取り戻してきた頃でしょうか?

今年に入ってからは、おかげさまでワクワクする様な仕事にも恵まれ、相変わらずプライベートでは限界中年独身男性といじり倒されるボクですが、まだなんとか歩みを続けられそうです。

さてそんなここ最近ですが、自分のモノつくり、小売を再開しました。

そんな中でアパレルの生産背景とか漠然と感じた事があったので、今日はそのへんに少し首を突っ込んでみて、書こうと思います。

国内には意外とお願いしづらい件

現在行っているモノつくりは一部の生地をのぞいて、縫製や付属、副資材、仕上げなど国内の業者にお願いしています。

国内で行っている理由ですが、「MADE IN JAPAN」を謳いたい訳でも、「国内生産を守りたい」とかではなくて、生産ロットの都合上でのコストのバランス、コミュニケーションの部分での融通を考えた時に国内背景の方にメリットを感じたからです。

ですが、小規模だからできて、それなりにロットの出せるメーカーだと難しいだろうなぁと感じます。

ご存知の方もおおいかと思いますが、おさらいして、ユニクロなど超大手企業は人件費の安い海外生産を拡大していて、衣料品の直近の輸入比率は約98%なんて統計があります。

一昔前は人件費をはじめとした新興国とのコスト差が原因なんて言われていましたが、今はアジアの工場でも染色や縫製など同等の品質を担保できるようになってきたというのが、これだけ輸入が拡大している背景でしょう。

と言うのも日本の工場では高齢者も多く、各工場の人員も少なくてラインを確保しづらかったりします。

僕らはドロップでの商品展開なので、週単位で細やかなMDを組まないので、空いた期間に縫っておいてもらう事が現状はできたりしますが、一般企業の様に計画的にMDを組でいる場合だとそうもいかないでしょう。

だから自ずと海外生産に頼らなければならないのでは?と思いますし、僕らもロットが増えればそうなるのでしょう。

工場に人員がいない問題

「文化が失われていく国は、やがて国としても滅びる」というのは、歴史上で何度も繰り返して証明されています。

大袈裟かもしれませんが、今の日本はその運命を辿りつつある様に感じています。

かつて、日本は製造業が栄える、ものづくり大国と言われ、中でもアパレル業は従来輸出産業で、世界遺産にもなった富岡製糸場がフル回転していた時期の国産比率は100%を誇っていたそうです。

しかし、1990年代には50.5%に下がり、いまでは冒頭に先述したとおり2%ほどしかなく、メーカーの生産拠点はコストを抑えられる海外へと移行していきました。

先述して国内でお願いしにくいみたいな話をしましたが、根本は流通構造の問題なのでは?

工場と消費者の間には、OEM/ODM・商社・卸・小売と中間業者が多数いて、それぞれマージンを確保しなければなりませんが、販売価格を上げれない為に薄利多売の構造になっています。

真っ先にそのしわ寄せが来ているのは、工場であることは多いです。

工場は過剰な価格競争に間接的に巻き込まれて、原価抑制を強いられることで適正な利益を得られず、全国規模で倒産や人員削減が相次いでいます。

そういった背景が人員不足や高齢化を引き起こしている要因のひとつでしょう。

文化的な価値観が欠如してる件

ファッションの価値って「デザイン・値段・ブランド」この3つで図られる事が多いです。

「どこで、誰が、どのようにつくったのか」という文化的な側面ってあまり着目されることはありません。

だから、その背景やそれらを担う職人に憧れる若者たちが現れるなんて事もほとんどありません。

そうして、雇用はもちろん、跡継ぎさえもどんどん減っています。

これはファッションに限った問題じゃなくて、伝統工芸品や工業製品などのモノづくり全般に当てはまるんじゃないかなって思います。

重要無形文化財に指定され、第一線に立っている職人でも、夜はアルバイトをしなければ生計を立てられないなんて話も耳にします。

この20年間で消え去ったものづくりの職人は、全国で800万人と言われていますし、この現状が変わらなければ、職人の数は今後も減少の一途を辿っていくでしょう。

そうすると、ますますモノが作りにくい状況になるし、受け継がれてきた文化を次世代に残すためにも、小売側がこれらの価値観を広く広めなければないのかとも考える様になりました。

やれる事をやれる範囲でやろうと思った

どれだけ文化が大事でも、時代は変わって行くし、職や職人、プロダクトが再構築される循環からは逃れることはできなし、逃れる必要もないと思っています。

とはいえ、その文化の大切なエッセンスを残していくこと、歴史と伝統は大きな意味を持っているということは忘れてはいけないことだと思います。

生産がオートメーション化されることは、繋がり方や、消費の仕方を変え、最適化・効率化の波を作るでしょう。

そういったシステムが生産者と消費者間の中間コストなども、改善、最適化してくれることもあるでしょうし、そうなると信じています。

小売側の落ち度の様にも取れる様に書いていますが、工場側が小売側や消費者側にダイレクトにつながることなんていくらでもできるし、何かしらのニーズを掴み改善・提案する事もできたし、それを怠っている結果が今のこの状況を招いていて自業自得な点もあります。

一方で、販売者側も作り手がいなければ、商品すら作れないことを改めて認識し、それらを守るために適正な価格で販売する努力、また表面的な部分だけでなく、背景的な面も発信する意識は必要でしょう。

そうして、消費する側も自分たちの文化に関心を持つことが、自国の文化を守ることに繋がると考えれる様になれば、アパレル業界の活気もまた戻ってくるのではないかと感じました。

その為にももう少し規模出せる様に頑張らないとなぁー。

終わり。

しゅんたろう
About しゅんたろう 39 Articles
1986年生まれ。 マロニエファッションデザイン卒業後、OEM企業での企画営業を経てMARKSTYLER社に入社、営業/MDを経験後、新規ブランド開発部門にて部門長としてブランド開発を行う。 退職後、CLANE DESIGNの立ち上げに参画し、ブランドマネージャーとして従事 2017年より独立し、1Q86.LLCを設立。 アパレル企業を中心にマーケティング/営業代行、ブランドディレクションを受託。 2018年にはアパレル生産SaaSの[AYATORI]を運営するDeepValleyの創業にも参画し取締役に就任。

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